「ワールド・
ベースボール・
クラシック(WBC)」日本代表の王貞治監督(65)が、2次リーグ突破に向け、最後の最後でチームのテコ入れに着手した。この日、ブルワーズとの練習試合で、初めて3番と5番を
チェンジ。3番に入った多村が本塁打を含む3安打を放って好調維持を印象づければ、日本での練習試合から精彩を欠いていた5番福留も
ランニングホームランを放ち、存在感をみせた。
バッテリー部門では、明日12日の2次リーグ初戦の米国戦で先発が予想される上原に、これまでの里崎ではなく同一リーグの谷繁がスタメンマスクをかぶる見込みとなった。
王監督がついに動いた。練習試合最終戦。2次リーグ突破に向け、王監督が下した決断は「3番多村」への打順変更だった。逆に
福岡合宿から低迷する福留を、5番に下げた。「いろいろと試していますよ。打順の上から左、左、右、左、その後は左、左、左になるが、うちの打線を考えたときに、そうなるのかなと」。1次リーグで不動だった打線を、2次リーグ開幕まで残り2日の段階で動かした。
王監督の期待通り、3番多村が機能した。第1打席で左翼にクリーンヒットを放つと、2打席目は足を生かして、三塁内野安打。6回の第3打席では、チームトップとなる代表入り後3本目の本塁打を左越えに放った。「3安打もしてましたか? 忘れてました。今日は気持ちが高ぶってました」と多村は言った。最終戦。3番登用以上に多村を高ぶらせる理由があった。
練習試合前。選手たちは、左翼の芝生の上に円陣を組み、輪の中央から発する王監督の言葉に、耳を傾けていた。「今日が最後の実戦だ。気合を入れ、本戦のつもりで戦おう」。王監督は今大会について「おれとしては18日(準決勝)にもう1回、米国と戦いたいと。日本として最低限、そこまで持っていきたいんだ」と話す。ここまで、打線は低迷し、投手陣も前日には貴重な中継ぎ左腕石井弘が離脱した。チームの状態は決して万全ではない。そんな状況でも、本音で選手を鼓舞する王監督の姿に、多村も心を打たれた。
5番に入った福留も、気を引き締めていた。「状態? いいも悪いも、言ってる場合じゃないですから」。6回の第3打席で右翼
フェンスをライナーで直撃。打球が右中間に転がる間に一気に本塁を駆け抜けるランニングホームランを放った。これが実に1次リーグ初戦の
中国戦(3日)で放ったソロ本塁打以来、 15打席ぶりの安打だった。
王監督の動きは、打順だけではない。2次リーグも先発ローテーションは1次リーグと同じ上原(米国戦)、松坂(メキシコ戦)、渡辺俊(
韓国戦)だが、女房役は臨機応変に変更する。初戦の上原には同一リーグの谷繁、2、3戦目の松坂、渡辺俊は、同じパ・リーグの里崎を起用する方針だ。「先発投手というのは、相手が変わったから、といってすぐに登板日を変えられるものじゃない。それよりもコーチ、バッテリーで話し合い、その相手なりの攻め方を研究した方がいい」と王監督。その投手を知る捕手に受けさせることで、投手の持つ力を最大限に引き出そうとの考えだ。
いよいよ2次リーグが始まる。この日は2番手杉内以降、中継ぎ陣が打ち込まれ、逆転負けを喫した。楽観視できる結果ではない。だからこそ、王監督は動いた。「あるところが弱かったから勝てなかったとは言えないし、言わない。言い訳にしたくないし、口が裂けても言えない」。掲げる目標は全勝での準決勝進出。打てる手はすべて打つ。
posted by スポーツ・アイ ESPN at 10:34|
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